テレビで駅伝のメンバー発表は
教室に集まったり、全体ミーティングで
「これからメンバーを発表する。」
「1区は佐藤!」
「はいっ!!」
と区間順に発表していき、メンバー発表が終ると
選ばれなかった選手を涙を浮かべ
同級生が「お前の分も頑張るから」と肩を叩いて慰める。
そんな青春感120%の光景が放送される事が多いけど、駒澤大学の陸上部はそんな青春溢れる感じではなかった。
選手は全員で35人くらいやったけど
秘匿性を保つ為か、全員が集まってる場でのメンバー発表はなかった。
なのでレギュラーではない選手は、誰がどの区間走るかは当日のテレビで知る事になる。
レギュラーでない選手からしたら、苦楽を共にしてきたのに、テレビ越しで区間メンバーを知るのはどこか寂しさを感じた。
レギュラー以外は区間は知らない
俺らの学年は仲良かったから、レギュラーの奴に何区を走るか聞けば教えてくれたと思うけど、部内でも秘匿な雰囲気があったから、聞かないのが暗黙のマナーやった。
駅伝は区間走者がバレると他のチームに対策もされる可能性もあるので、情報戦のような側面もあった。
エースが区間エントリー発表時は補欠になっていて、当日になって変わるのはまさしくそれだ。
前日までフェイクで区間エントリーされている選手は「当て馬」と呼ばれていた。
部内にでさえ秘匿にされていたので、メンバー外の俺は少し寂しい気がしていた。
俺は余裕でメンバー外やったけど
俺だってサンドバッグとして先輩のストレスのはけ口となってきた自負がある。
合宿中は往復40分かかるコンビニに誰よりもパシられた自信もある。
40分かけて依頼通り、たけのこの里を買って帰って来て
たけのこの里買って来ました!
と渡したら
おぅ。プリンも買ってきて
と再度依頼され
いや、さっき頼めや!
とシャウトしそうな時も、文句1つ言わず再度40分かけて買って来た。
プリンのスプーンをもらわずささやかに抵抗したけど、そんな事は大した問題ではない。
右膝が痛すぎて、ムーンウォークくらいの速度でしか走れなかったので
走力としては、
俺<<<寮食のおばちゃん
となっていたのも紛れもない事実だ。
だが、俺も立派な陸上部員なのだ。
分かって欲しい。
メンバー発表くらい聞きたいのだ。
ただ同級生は仲間意識があったので
そいつはこっそり前日に「俺7区だから」と教えてくれていた。
「あ、そうやねんや!まじで頑張ってな!」
と軽い感じで返答したけど、内心すごい感動していた。
感動に浸り、当日テレビで見たら
8区を走っていた。
・・・・
‥区間間違っとるやないかい!
笑
俺の感動返せ。
箱根駅伝2022の展望こちら続きを読む
-
箱根駅伝2022 展望
どーも。駒大の陸上部2年で退部した少年Aです。 駒大陸上部時代の1番の思い出は 大八木監督に 「お前もっと腕振って走れ!!」 と叫ばれた事です。 M体質なのでちょっと嬉しかったです。 ちなみに箱根駅伝 ...
続きを見る