駒澤大学の陸上部はスポーツ推薦で入学する際は必ず実技テストがある。
いわゆる「セレクション」だ。
全国の有名選手はある程度進路も知られているので、俺もセレクションを受ける前から
・全国大会で1500m優勝した奴
・全国大会で5000m日本人で2位だった奴
この超高校級の2人が駒澤大学に進学する事は知っていた。
ただ想定外だったのが、セレクションの集合場所で別の超高校級の選手を発見。
え?こいつも駒澤大学なん‥‥?
まじかよ‥‥
と思いながら、その日は翌日のセレクションに向けて軽めのジョグで終了。
その夜は大学側が宿泊するホテルを用意してくれていたので、セレクションを受けるメンバーで泊まる事となった。
ホテル内では部屋着に着替えるので、俺は自分を少しでも大きく見せるべく
京都選抜に選ばれた時にもらった、自慢の「Kyoto」と刻まれたシャツで精一杯自分を大きく見せた。
大きく見せたいと言う下心の一心で着たのだが、誤算があった。
なんと同級生は「Japan」と刻まれているシャツを着ていたのだ。
右胸には国旗も刺繍されている。
・・・眩しすぎる。
一瞬で敗北感を味わうと同時に俺自慢の「Kyoto」シャツが霞んで見える。
いや、霞むどころかむしろこれなら無印の方が良い。
なぜ俺はイキってこのシャツを着てしまったんや。
よく考えれば、みんな都道府県の代表くらいにはなってるから、俺の「Kyoto」シャツなんてヒートテックくらいの価値しかないやろ。。。
と己の愚かさを糾弾した。
てか部屋着で「Japan」のシャツなんて着るなよ!
どんだけ自慢したいねん!
と思うものの、それは自分へのブーメランでしかなかった。
同級生と仲良くなりたい俺
セレクション合格するか分からんけど、同級生になるかもしれない奴と仲良くなりたい。
そんな思いが爆発寸前の俺を横目に
超高校級の3人は既に仲良くて
「インターハイのラストきつかったよね!」
みたいな会話をしてて、盛り上がる。
あの3人の会話には入れなさそう・・・
と他の選手が思っている中
その3人を指差し
「あれが高校界のトップやけんね。」
と俺にドヤついてくる謎の選手が登場。
「なんかオーラあるよな!」
と俺も愛想良く返答するが
「そう?」
と真顔で返され、反射的にこいつとは仲良くなれないと判断。
他に仲良くなれそうな奴おらんかな‥‥。
でもあの3人に話かけるのは身分不相応やしな‥
と思いながら、
翌日の朝練で話かけすそうな奴に
「一緒にジョグしない?」
と勇気を振り絞って話しかけたら
軽くうなづいてくれた。
だがそれと同時に、
「うちの監督、ぼったくっとる!」
と聞いてもいない事をいきなり言ってくる奴だった。
反射的にこいつともの仲良くなるのは難しそう
と思ったものの
話してると滑舌は悪いものの話やすい奴だと言う事がわかった。
朝練が終わり
いざセレクションへ。。。
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駒澤大学陸上部のセレクション(後編)
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