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ゲームが完成するまでの裏話

俺の職種はゲームプランナー(前職ではディレクター)だったので、企画者の目線から現場を語って行きたいと思う。

ゲームプランナーの主な仕事の流れとしては

①ディレクターから大まかな方針の企画が降りてくる

ディレクター
新しい武器の企画頼む


②企画書制作して方針が問題ないかディレクターに確認する

プランナー
現状の武器ラインナップだと小回りきく武器がないんで、新武器は双剣か小型銃が良いと思うんすけど、どうすか?


③詳細の仕様書を制作しディレクターと詰めていく

ディレクター
双剣良いジャン。ゲームの方針として、片手剣よりは強く、ハンマーより弱くして欲しいわ
プランナー
了解っす。じゃあ1秒辺りの攻撃力を60前後で調整しときます


④概要が決まったらまずデザイナーに依頼する

プランナー
双剣をこんなデザインにして欲しいっす
デザイナー
これだと世界観とあってないんだけど。

プランナー
・・・


⑤エンジニアに仕様を説明して実装してもらう

プランナー
新武器なんですけど、この仕様で・・・
エンジニア
この仕様だと全然分からないわ。
プランナー
・・・


⑤完成次第、プレイし最終調整

ディレクター
これやと強すぎね?ラスボス1撃で倒せてたよ?
プランナー
・・・・


超ざっくりな流れやとこんな感じで進めていくケースが多いけど、 プランナー側からディレクターに「こんな企画面白いんでやりましょうよ!」と提案するケースもある。

また、ゲームを制作するって言っても
・0からゲームを制作する
・1から2へバージョンアップの制作する

の2つがあって、多くの人が憧れるのは0からタイトルを制作する方やと思う。

1から2へバージョンアップの制作するのは分かりやすく説明するとモンハンで新しいマップ作ったり、新しい武器を作る事を言う。

どちらでもゲーム制作と言う点では変わりはないねんけど、大変なのは圧倒的に0からゲームを制作する方やと思う。

0からゲーム制作が大変な理由

理由としてはいくつかあるけど、主な要因としては
まだ公開してない故に作り直しが可能やから これに尽きる。

既にリリースしてて、ユーザーが遊んでる状態やと
モンハンで作ってたけど、ドラクエみたいなRPGに変更するわ☆
みたいな大幅な変更はできないけど、まだリリースしていないゲームやとそれがまかり通ってしまう場合がある。

まぁこれは極端すぎるけど、

ドラクエで作ってきたけど、やっぱFFみたいなリアル路線に変更☆
くらいの変更やったら俺も経験した事もあるし、カオスを極めた。

そうすると半年かけて制作してきたデザインを一新する事になる。 今まで苦労して制作したものが全て無駄になってしまうストレスは想像以上に高くて、大半は怒りに変わる場合が多い。

もちろんその怒りは判断したディレクターとかプロデューサーに向かう事になる訳で、こうなると人間関係も怪しくなってくる。

ギスギスした雰囲気はやがて精神を蝕んで、これ以上は仕様変更したくない・・・と誰しもが思っている中

リアル路線になったのに必殺技の名前が
「ねこぱんち☆」
とギャップのある箇所が発覚してくる。

いやいや、これマジかよ。

直前に仕様変更した際に

もうこれ以上変更ないですよね!?
とキレられて

ないです!

と声高らかに誓ったのに、わずか5分でその誓いを破ってしまうのはいただけない。

でも「ねこぱんち☆」はデフォルメされてた可愛いデザインやったから許される訳であって


今のお前のデザインでは許されない。

確実に許されない。

と自分の信頼度がストップ安になる事と引き換えに仕様変更をする事となる。

辛い事ばっかり書いたけど、これが残酷なまでの事実やし「こんな辛い思いしたくない!」と思う人は違う仕事を探した方がいいと思う。


ただ俺は10年くらい働いてるけど、完成した時の感動とか ユーザーがどんな反応で遊んでくれるかをTwitterとかYoutubeでチェックして、喜んでくれてる姿は何にも変えがたいやり甲斐があると思う。

Youtubeが俺が制作に携わったゲーム実況や動画を流してくれて、喜んでる姿はまじで感嘆深いものがあった。

ゲームクリエイターはゲームが好きって事も大切やけど、物づくりが本当に好きな人には良い職業やと思う。

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自己紹介プロフィール

自己紹介 1987年9月10日生まれ。 現在は渋谷のIT企業に在勤中。 有能が多い環境やけど、周りと遜色ない存在でありたいと切望し、背伸びする毎日。 背伸びするものの、俺のPCで「も」を打つと予測変換 ...

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少年A

駒澤大学の陸上部(駅伝部)にスポーツ推薦で入学するものの途中退部。学生時代の事や、仕事(ゲームクリエイター)のリアルな体験談をブログに書いてます。 ブログ内容は200年後にハリウッド映画になる予定です。

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