セレクションも無事合格し、
前日と同じホテルに泊まったのだが、この日は前日と違いリラックスムードだった。
どんなお菓子が好きか?と話をしている時に
じゃがりこにお湯を入れて混ぜると、マッシュポテトみたいで美味しいよ!
と言う話を日本代表の奴がしてきたので、皆でじゃがりこを調達しにコンビニへ。
お湯こんくらい入れるといいよ!
と熟練の技で俺用のじゃがりこマッシュポテトを作ってくれた。
すごい選手なのに気さくでいい奴やな
と思ったものの
入れてもらったお湯の量がいささか多い気がしており,
見た目的にはマッシュポテトと言うより
お湯の上にじゃがりこが浮いているだけのような・・・
と一抹の不安を抱えながら試食する事に。
・・・・
まずい。。。
これは一点の曇りなく、まずい。。。
だが、そいつは無邪気に
美味しいっしょ!?
と聞いてくる。
食文化を尊重するのは仲良くなる一歩目だと思い
「あ、確かにうまいな!コレ!」
と苦渋ながら言うと
でしょ?こっちも食べてみなよ!
と、ポテロングの箱を渡された。
箱の中を見ると,
先ほど同様にお湯の上に砕いたポテロングが浮いている。
え?これお湯の割合間違ってない?
と思うものの、仲良くなりたい一心で笑顔で試食する事に。
・・・
これもまずい。。。
さっきのじゃがりこもまずかったのに、これはさらにまずい。
そんな思いとは裏腹に
「これも美味しいな!」
と笑顔で反応する俺。
食文化を理解でき、心の距離が近づいたのだが
俺の愛想笑い筋は限界だった。
普通の高校生だった日本代表
憧れの眼差しを送っていた日本代表の奴が
「みんなこうゆうの見るのかな・・・?」
と恥ずかしそうに俺らに質問し、鞄から何かを取り出そうとしている。
恥ずかしそうな表情から察して、エロ本でも出てくるのかと思ったら
週間少年ジャンプを取り出して見せてきた。
性癖でも暴露されるのかと待ち構えてた俺等としては安堵し
「普通に読むよ!笑」
と笑いながら返事すると
あ〜。良かった〜。みんな読まないかもしれないって思って不安だったんよ〜。変な奴と思われたらどうしよ〜と思ってたんよ!
と、安堵の表情を見せてきた。
すごい選手やけど、中身は俺らとあんまり変わらないねんな。
と思うと同時に、そのジャンプが異常なほどボロボロだったのが気になった。
最初は愛想笑い筋を酷使してたけど、徐々に自然と笑顔になる機会が増えたので
さっきのじゃがりこ本当は超まずかったわ!
と勢いに任せて言おうと思ったものの
食文化はデリケートかも
と言うリスクヘッジの観点から言うのはやめる事に。
お互いまだ気使ってるけど、いつの日か
「あのじゃがりこ本当はまずかったよ。」
と言える時が来たらいいな。
と思ったセレクションの夜だった。
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