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控え部員から見た出雲駅伝

10年以上前に駒澤大学の陸上部にいた時の愛しさと寂しさの出雲駅伝。


控え部員って聞くと、レギュラー争いしてる感出ちゃってるけど、
あらかじめ言っておく。

俺はレギュラー争いなんてしていない。


これだけは断言できる。

実力差がありすぎて我ながら控え部員と言うにもおこがましい。


ただ、他の言い回しが分からないから控え部員と言わしれてくれ。

頼む。


膝痛めて走行不能やったから、当時の俺はもはやペタジーニくらいの走力くらいしかなった。


なんなら顔もペタジーニに似てる気さえしてきた19歳の秋。


そんな秋に駅伝シーズンは開幕した。

出雲駅伝のメンバー発表

俺は部員やけど、号砲が鳴るまで走るメンバーは知らない。

駒澤大学は駅伝メンバーの発表は部員全員を集めて「1区.....鈴木!」

みたいに発表するわけでなく、主力メンバーのみを集めて発表している

っぽい。

メンバー発表の場面に立ち会った事がないけど、多分そう。

入学する前は、
部員の全員ミーティングで監督が
「1区‥‥鈴木!」

「2区‥‥3区‥‥」
みたいな感じで発表されていって、

「今回メンバーから外れたのは田中」

(そして田中は涙を流す)

みたいな青春ど真ん中のメンバー発表をイメージしてたけど

実際はテレビを見て
「おお!!!1区この先輩か!!!」
と、テレビを通してメンバーを知っていた。

「いつも寮で見てるけどテレビで見るとかっけーな〜」
とミーハー魂全開の俺。



......



俺は何者や。




なに喜んでるねん。


いちおう部員やろ。


駅伝ブックを片手にキャーキャー言ってるファンじゃねーんだよ。俺は。



そんな思いを胸に秘め、同級生がテレビに写ると

「おおお!深津ぅぅぅ!!かっけぇー!!」
と思わず叫ぶ俺。


......




......



俺は誰だ。


出雲駅伝号砲前

普段見てる先輩がテレビに映る違和感と、部員なのに誰が走るか知らない寂しさが交差する号砲前。


そんな時、
専修大学に進学した高校の同級生から
「駒大って誰走んの?」
ってメール受信


「まじで誰が走るか知らん。笑」

高校の同級生
「は?メンバー発表したやろ?」


「いや、そのメンバー発表したかさえ知らん。」

高校の同級生
「お前実はクビになったちゃう?」



・・・



そうかもしれない。

言われてみれば俺が部員かどうか確認した事はなかった。

俺は勝手に練習に参加する頭おかしい人なのかもしれない。


一生の不覚....


思い返してみれば練習のチーム分けに俺の名前がない事があった。
その時は
「え?練習しなくて良いとか超ラッキーじゃない?」
と意識低い俺が全面に出たものの、
自分の存在を忘れられていた事に憤りを感じ、マネージャーに

「あ、あのぅ。。。ぼ、ぼ、僕の名前ないんですけど…」と蚊の鳴くような声で確認したら

あ、ホントだ。
じゃあ給水で。

と必要最低限の言葉を頂戴した。

部員かは不明やけど、給水ボトルを渡す関係であった事は間違いない。

そこは自信と実績がある。


給水した時に普段怖い先輩にも「ありがと」と小声で言われた事もある。

人生で3回くらいしか「ありがと」って言わなさそうな雰囲気なのに、俺は貴重な1回を頂戴したと勝手に解釈している。


ただ、本当に部員だったのかは怪しい。

俺が部員かは不明やけど、寮で暮らしている先輩と同級生が走る。

これだけでいいやんけ。

落ち着けよ。俺。

出雲駅伝ついに号砲

号砲が鳴り、スタートすると
純粋に応援する気持ちと、

駒大が大敗する

部内の雰囲気が悪くなる

俺氏、サンドバッグになる可能性アップ↑↑↑

と言うロジックを一瞬で導き出し、
応援する気持ちは変わらないものの、
不純物が98%混じりながら応援する俺。


襷が繋がれていき、同級生の1年生に襷リレー。

いつも近くにいるのに遠い存在に感じるなー。

でもこいつは、高校の時から日本代表に選ばれてすごい選手やったもんな。

入学前のセレクションで初めて会った時、俺はお前のオーラに圧倒されてサインもらう直前だったさ。
ただサインをもらわなかったのは言い出す勇気さえ俺にはなかったからさ。

セレクションの当日、お前がJAPANと刻まれたポロシャツ着てるのを見て
自己主張ちょっと強めの奴なのかな
と思っていたのも事実さ。

セレクションの思い出

駒澤大学陸上部のセレクション(前編)

駒澤大学の陸上部はスポーツ推薦で入学する際は必ず実技テストがある。 いわゆる「セレクション」だ。 全国の有名選手はある程度進路も知られているので、俺もセレクションを受ける前から ・全国大会で1500m ...

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才能もあって先輩からも可愛がられて妬ましい。

非常に妬ましい。


俺がお前に勝てる事と言えば、
楽天カードの溜まってるptくらいで
あまりの才能にジェラシーを3秒に1回くらい感じるけど、応援してる。


陸上界では住む世界は違うけど、現実世界での住所は同じさ。

そんな事を考えながら出雲駅伝を見ていた気がする。

出雲駅伝の結果

部員として初めて見た出雲駅伝は、どこか遠い存在のような気がした。

今まで感じた事のない「同級生に憧れる」って感情と

チームとして満足できる結果でなかったけど、悔しい感情も湧き出てこない自分に


「あ、このままじゃダメだ・・・」
「この為に駒大に来たんやった…」


と忘れかけていた事を思い出させてくれる19歳の秋だった。

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2024/1/1

箱根駅伝2024 展望

どーも少年Aです。 ブログを3日に1回更新するぜ!と誓ったものの2年ぶりの更新になりました。 更新してなかったのに俺のブログに毎日足しげくアクセスしてくれてた全国2名ほどの皆さんすいません。 いや、書く気はあったんすよ。 書こうと思ってデスクに座ったのに、気がついたらゲームをしてました。 多分、無意識のうちにゲームをする病なんだと思います。 3日に1回はハードル高いので3年に1回の更新に下方修正させてください。 今回は2024年の箱根駅伝の展望について独断と偏見で書こうと思います。 まず、優勝候補はダント ...

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2022/1/3

箱根駅伝2022 結果と感想

どーも少年Aです。 1年に1度の楽しみが終わったから俺の1年は終わったも同然やけど、感傷にふけながら箱根駅伝の感想を書こうと思う。 いちおう駒澤大学の陸上部に在籍してたから、駒澤推しやけど実は青学も好きやったりする。 駒大の陸上部時代の辛かった思い出ブログはこちら 箱根駅伝2022 総合結果 1位 青山学院大学 10:43:42(※総合新記録) 2位 順天堂大学 10:54:33 3位 駒沢大学 10:54:57 4位 東洋大学 10:54:59 5位 東京国際大学 10:55:14 6位 中央大学 10 ...

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2022/1/1

箱根駅伝2022往路 予想

ついに明日箱根駅伝の号砲が鳴る。 もう10年以上前やけど駒大の陸上部に在籍してた頃は俺は出るわけでもないのに、いっちょまえに緊張してたのも懐かしい。 仲良かった同級生に「箱根走るの緊張する?」って聞いたら意外と緊張してなくて 応援するだけの俺の方が緊張してたのも今となっては懐かしい。 箱根駅伝の前日にファンの子が寮前に来てて、急にファンレターを渡されたと思ったら 先輩の名前が書かれてて、その先輩に渡してほしいってのは瞬時に察したけど 残念なのは俺の身分ではその先輩に手紙を渡すどころか、半径5m以内に近づく ...

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2021/12/14

箱根駅伝2022エントリーまとめ

12月10日(金)に箱根駅伝2022の16人のエントリー発表されましたね! このエントリーを簡単に説明すると ・エントリーされると箱根駅伝に出場可能 ・エントリーメンバーは変更できない 甲子園で言うとベンチ入りメンバーみたいな扱いで、エントリーされてないとスタンドで応援するのがイメージとしては近い。 だから箱根を走るには、まずこの16人にエントリーされる事が第一の関門となる。 俺が駒大の陸上部に在籍してた時は選手層が厚くて、当落線上の選手は16人の枠をかけて11月からピリピリになるんですよ。 もう妖気出て ...

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2021/12/14

箱根駅伝2022 展望

どーも。駒大の陸上部2年で退部した少年Aです。 駒大陸上部時代の1番の思い出は 大八木監督に 「お前もっと腕振って走れ!!」 と叫ばれた事です。 M体質なのでちょっと嬉しかったです。 ちなみに箱根駅伝って注目度の高さゆえに「全国大会の駅伝」と思われがちやけど、実は「関東大会の駅伝」なんですよ。 だから関東地方以外の大学は出場できないのです。(キリッ そんな話はさておき、歩く陸マガの私が2022年の箱根駅伝の順位予想をします。 (記録は11月27日時点のものです) 箱根駅伝2022 出場校 戦力分析 まず箱 ...

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どこの世界もそうやと思うけど、新入りが人間関係で苦労する事は多い。 駒澤大学の陸上部に入部したての俺も例外ではなく、苦労した1人やったと思う。 当時のコーチは俺がうまくいってない姿を見て 「諦めず頑張 ...

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少年A

駒澤大学の陸上部(駅伝部)にスポーツ推薦で入学するものの途中退部。学生時代の事や、仕事(ゲームクリエイター)のリアルな体験談をブログに書いてます。 ブログ内容は200年後にハリウッド映画になる予定です。

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